自社でコンテンツマーケティングを行うために、ブログの記事作成を外注したいと考えている方は多いのではないでしょうか?
外注すると、社内の制作リソースを削減できる反面、適切な方法で行わなければ、期待するアウトプットが返って来ず、自社で修正する手間がかかってしまうなど、リスクがあります。
そこでこの記事では、そもそも記事外注はどんな方法で行えるのか、求める品質で納品してもらうためには何を意識すべきなのか、といった点を、オウンドメディア運用担当者として、これまで多くの記事外注を行ってきた私が解説します。
また、記事外注する場合の費用についても、詳しく紹介しています。
記事外注の種類
まず、ひとえに「記事の外注」といっても様々なパターンがあり、大きく以下2つに分けられます。
- 記事構成案の作成〜ライティングまで、まるっと依頼するケース
- 記事構成案は発注側が作り、ライティングのみ依頼するケース
記事構成案の作成〜ライティングまで、まるっと依頼するケース
前者は対策キーワード、及びその他の要件を伝えるのみで記事作成を全般的に依頼する場合です。自社のリソースを大きく削減できる反面、要件がきちんと伝わっていないと意図したアウトプットが返って来ないケースもあります。
求めるクオリティの記事を納品してもらうための工夫については、後述する「記事外注のポイント>事前に発注要件・注意事項を伝える」で詳しく解説しています。
記事構成案は発注側が作り、ライティングのみ依頼するケース
後者は発注側で記事構成案を作り、本文の執筆のみ依頼するパターンです。構成案を自社で作成するため、意図したアウトプットが返ってきやすいです。一方で、自社で構成案を作成すると工数が発生するデメリットがあります。
ライティングのみ依頼する場合のポイントは後述する「記事外注のポイント>構成案は作成するだけでなく、各見出しで指示内容をコメント」で解説します。
ブログ記事の作成を外注する方法
ブログ記事を外注したいと考えているものの、具体的にどのような方法でライターを探し、発注すれば良いのかわからない方は多いのではないでしょうか?
この章では記事外注したいと思った際に、検討すべき3つの方法を紹介します。
記事制作代行会社に発注する方法
1つ目は記事制作の代行会社(通称:編集プロダクション)に依頼する方法です。
通常、記事外注を行う際、ライターを探すのに手間がかかります。しかし、代行会社に依頼すると、ライターのアサインから行ってくれるメリットがあります。
また品質管理のために、ライターだけでなく、ディレクターも配置されているケースが多いです。
費用については、後ほど紹介しますが、上記で説明したような品質管理のための工夫が入念に行われるため、高価格になる傾向があります。
クラウドソーシングサービスを活用する方法
クラウドワークス、ランサーズなどに代表されるクラウドソーシングサービスを活用して、ライターを探す方法です。ライターの選定やライターとの連絡、報酬の支払いなどプラットフォーム内で完結することができます。
募集方法としては、大きく以下の2パターンです。
- 自らライターを検索し、交渉を通じて発注
- 単価や募集人数など発注条件を登録し、募集→ライターの選定
まずは、後者の方法で自社の募集に応募してきたライターの中から、選定してみると良いでしょう。
また、初めは複数人に発注し、品質の高かったライターに絞って次回以降の発注先を決めるやり方もおすすめです。
SNSなどを活用してライターに発注する方法(直接契約)
代行会社やクラウドソーシングサービスを介さず、SNSなどを通じてライターを探す方法です。
Twitter、NoteといったSNSで情報収集・発信しているライターは多くいます。「Webライター」「SEOライター」といったようなワードで自社が求めるスキルを備えているユーザーをプロフィール検索してみると、自身のポートフォリオを掲載しているライターが見つかるはずです。
ポートフォリオを精査して、発注したいと思えるライターであれば、DM(ダイレクトメッセージ)を送信してみましょう。
外注先の選び方
前章で外注する方法について解説しましたが、具体的にどのような観点で発注するか否かを決定すべきなのでしょうか?
この章では外注先を選ぶポイントについて解説します。
自社が求める要件に対応できるか
まず自社が求める単価、文字数、執筆期間で対応が可能か確認する必要があります。
サービスページやライターのプロフィールを確認しましょう。
不明な点があれば、問い合わせてみましょう。
コンテンツチェック体制が強固であるか
依頼するライターによって、品質に差が生まれる傾向にあります。
もし、多少費用がかかっても品質のバラつきを避けたいのであれば、ライター以外にディレクターもアサイン可能な代行会社に依頼すると良いでしょう。
記事テーマに精通しているライターのアサインが可能か
当然ながら、依頼したい記事のテーマについて知見のあるライターに担当してもらう必要があります。
代行会社(編集プロダクション)に依頼する場合は、事前に知見のあるライターのアサインが可能か確認しておく必要があります。
また、クラウドソーシングやSNSなどを活用してライターを探す場合は、実績やポートフォリオをしっかり確認しましょう。
業務委託契約・NDA(秘密保持契約)の締結が可能か
記事を外注するにあたって、発注後のトラブルが起きないよう、業務委託契約・NDA(秘密保持契約)の締結が重要です。自社で定めている条項を事前に外注先に確認してもらい、締結可能かチェックしておきましょう。
記事外注の相場・単価
記事単価は記事構成案の作成〜ライティングまで発注する場合と、ライティングのみ依頼する場合で異なります。
また、どの外注方法を活用するかによっても変動します。
この章では、それぞれの外注方法で構成案作成から依頼する場合と文章の執筆だけ発注する場合の費用(相場)を紹介します。
※これまで10社以上に発注した経験のある私の見解です。
※以下で紹介する価格は6000字〜1万字のライティングを依頼する場合の目安となる相場です。
※既存記事のリライトを依頼する場合も下記の価格と同様であることが多いです。
※画像作成も依頼する場合、記事内に活用する挿画は約1,000円〜2,000円/枚であることが多いです。記事冒頭のアイキャッチ画像を作成してもらう場合は、より高いデザイン性が求められる作業のため、もっと費用がかかります。
リサーチ・構成案作成から依頼する場合
記事構成案の作成から依頼する場合、当然ライティングのみ依頼する場合より高価格となります。
以下がそれぞれの外注方法での価格です。
<記事制作代行会社(編集プロダクション)に依頼する場合>
約40,000円〜70,000円
<クラウドソーシングサービスで発注する場合>
約30,000円〜45,000円
<SNSなどを通じて直接契約する場合>
約25,000円〜40,000円
※クラウドソーシングサービスもライター個人への発注となるため、直接契約する場合と費用が変わらないのでは?と思う方がいらっしゃるかもしれません。しかし、クラウドソーシングサービスを介すると、サービス側に支払う費用も含まれています。そのため、直接契約した場合の方が仲介手数料がかからないため、より安価で発注できる傾向にあります。
ライティングのみ依頼する場合
記事構成案は自社で作成し、ライティングのみ依頼する場合は、およそ以下の相場です。
<記事制作代行会社(編集プロダクション)に依頼する場合>
約40,000円〜70,000円
<クラウドソーシングサービスで発注する場合>
約20,000円〜35,000円
<SNSなどを通じて直接契約する場合>
約18,000円〜25,000円
記事外注のポイント(発注~納品)
外注の種類や選び方、費用などについて解説してきました。
ここからは、外注先が決定した後に、クオリティの高い記事が継続的に納品される状態を作るために、自社で行っておくと良い工夫を紹介します。
求めるレベルでアウトプットが返ってくるか不安に思っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
そもそも記事型コンテンツが上位表示しているキーワードか確認する
まず、発注するキーワード(上位表示を狙う対策キーワード)の検索結果が記事型コンテンツで並んでいるかチェックしましょう。
いくら質の高い記事を作成しても、記事型コンテンツが上位表示できる余地がないキーワードだと流入を稼ぐことはできません。
例えば「東京 賃貸」と検索すると、検索結果に記事型コンテンツはほとんど表示されず、不動産の検索サイトが表示されます。
あらかじめ、記事型コンテンツが上位を占めているキーワードで発注することがおすすめです。
構成案は作成するだけでなく、各見出しで指示をコメント
記事構成案を自社で作成し、文章の執筆を依頼する場合、記事の各見出しで、記載してほしい内容や、参考にしてほしいサイトのURLを記載しておきましょう。
そうすることで、意図したアウトプットが返ってきやすくなり、納品後に自社で修正する手間を削減することができます。
構成案のチェックを行う
記事構成案の作成からライティングまで、まるっと依頼する場合、構成案を自社で作る場合より、意図したアウトプットが返ってきにくい傾向があります。
そこで、リスクヘッジのために行うべきなのが、構成案の作成を完了してもらった段階で自社で内容をチェック(構成案に対してフィードバックを行い、修正してもらう)するフローを挟むことです。
構成案に問題がなければ、記事の方向性が自社の期待通りになっているということなので、意図したアウトプットになりやすいです。
事前に発注要件・注意事項を伝える
発注する前に要件や注意事項をきちんと伝えることで、認識のズレを防ぎ、意図したアウトプットが返ってきやすくなります。
具体的には、最低文字数や画像のトーンマナー、納品期日などです。
また、他社記事のコピペや性的表現が禁止であることなど、注意点も知らせておきましょう。
発注後も定期的に連絡をとる
忘れていることなどが原因で、期日通りに納品できないライターが少なからず存在します。
発注後も定期的に連絡をとることで、ライターに期日を意識してもらいやすくなります。
また、定期的にコミュニケーションをとることで、ライター側が気軽に質問しやすい環境を作ることができます。
初めはライティングのみ依頼したほうが無難
記事外注には構成案から依頼する方法と、ライティングのみ依頼する方法があることを説明してきました。
期待通りの記事が納品されやすいのは、上述の通り構成案は自社で作成し、ライティングのみ発注する場合です。
そのため、初めて依頼するライターの場合はライティングのみ依頼し、質が高ければ次回以降は構成案作成から発注するといった選択がおすすめです。
ライターは常に複数人確保すべき
ライターは常に一人ではなく、複数人確保しておくことが重要です。
なぜなら、依頼したいライターが体調不良などで対応できなくなることがあるからです。
そうなると制作スケジュールに大きな支障をきたすことに加え、また一からライターを探す手間が発生します。
そうしたリスクを未然に防ぐためにも、ライターは複数人確保しておいた方が良いでしょう。
フィードバックは入念に行う
記事が納品された際、事前に指示した内容が反映されていないことがあります。
そうした場合は、修正依頼をしましょう。
きちんとフィードバックをすることで、ライターが自社の要件を理解しやすくなり、次回以降の修正コストを減らすことが可能です。